第5回

長谷川都生

38歳・調理師/ お惣菜とお菓子のお店経営・京都府出身・2005年からドイツ在住

http://nazuna-berlin.com

 

お惣菜というドイツにまだ浸透していない和食をベルリンで作っている長谷川都生(つき)さん。販売場所は2011年にオープンした自身のお店「nazuna」(ナズナ)。自営業の成功ストーリーを今まで積んできた人生・料理経験と共に辿った。

ー長谷川さんは渡独するまで日本でどのような料理に携わっていたのですか?

京都に住んでいたので京料理とフレンチです。私は元々、大学で美術を学んでいたのですが、料亭やホテルのフレンチレストランの厨房でアルバイトをしているうちに料理の道に進みたい、と思うようになりました。大学卒業後は調理師専門学校に入り、厨房のお仕事も続け、京料理とフレンチを同時進行で勉強し続けました。

 

ー京都からなぜベルリンに?

実は当初の目的地はベルリンではなく、ブリュッセルだったのです(笑)フレンチレストランで働いていた頃、シェフから「ブリュッセルはフランスの若手シェフが集まり、レストランをどんどんオープンしているエネルギッシュな都市だ」と聞かされていました。でもブリュッセルで入社する予定だった日本食レストランが倒産してしまいまして・・・もう完全にヨーロッパへ行く気になっていたから、スペインとイタリアを回り、別の働き先を探しました。最終的にはイタリアの料理人にベルリンで日本食レストランの料理長をされている方を紹介していただき、ベルリンに辿り着いたのです。

 

ーそれからずっとベルリンに住んでいらっしゃるのですね。お引越しを考えたことはありますか?

初めは2~3年後にブリュッセルに移れれば良いと考えていました。でも住めば都と言うように、どんどんベルリンに惹かれましたね。例えば、日本食レストランで勤めていた頃、キッチンスタッフ以外はドイツ人やドイツ語を話す外国人で、最初は片言の英語でやりとりをしていました。それが3か月目に入ってから突然「あなたはせっかくドイツへ来たのだから、もう英語では話さない」と言われたのです。冷たさにショックを受けましたが、時間が経つに連れて厳しさの中にある優しさを感じるようになりました。時間的に語学学校に通うことが難しい私と一緒に勉強してくれましたしね。

 

ーベルリンで好きな場所はありますか?

テレビ塔がかっこよくて、好きです(笑)疲れた時などに見ると元気をもらえます。偶然nazunaからもテレビ塔が見えるから嬉しいです。

 

ーnazunaをオープンしたのは2011年3月ですね。独立したきっかけとは?

ベルリンでは日本食レストランの次にフュージョンレストランに転職し、和食とフレンチのフュージョン料理を作っていました。このお店で今のパートナーでパティシエのスヴェン・シューマッハと知り合いました。私自身、ベルリンに残りたい気持ちは元々あったものの、他に働きたい魅力的なレストランがあまりなかったので、自分のプロジェクトとしてnazunaを立ち上げました。

 

ーnazunaのコンセプトを教えてください。

手作りにこだわり、品質を大切にし、美味しくて健康的な食品を提供することが最大のコンセプトです。お惣菜とお弁当、おにぎり、そしてシューマッハが手掛ける創作和洋菓子を販売しています。基本的にはお持ち帰りをするお店です。

お惣菜は京都では「お万菜」(おばんさい)といい、「万」は種類の豊富さを表しているのですが、nazunaでは一定のベーシックなお惣菜と2、3種の日替わりのものを作っております。例えば煮豆、切り干し大根、ほうれん草のおひたしなど。また、お弁当にはご飯、2種類のお惣菜、1種類のメインディッシュと小さなデザートを詰めています。

和菓子であるのはおもちとフルーツ寒天です。冬場はあられも作ります。他にnazuna風の和洋菓子-抹茶のムース、抹茶のチョコレート、黒豆のチーズケーキなど-もありますよ。

 

ー日本人として事業を始める際に苦労した点はありますか?

やはり言葉ですね。語学学校にはnazunaを開店する前にようやく2~3か月通えましたが。あとは税務署、衛生局、区役所などに提出する書類がとても多く、大変でした。

 

ードイツ人に好まれるメニューや味は何ですか?

お惣菜ではから揚げ、お弁当では焼きサバご飯弁当が人気です。オーブンで焼いたサバのフィレをほぐしてご飯にのせたものです。味付けに関しては、今はドイツ人向けに少しだけ濃くしています。私のお店は他のドイツのお店と異なり、テーブルに調味料を置いていないのですよ。やはり日本と京都の味をそのまま味わっていただきたい思いがありますから。でも初めは普通の味付けにしていて、お醤油を頼まれることが多かったので、味付けをちょっと濃くすることにしました。あと、ドイツの方はお惣菜の盛り合わせやお弁当を1種類ずつ食べるので、三角食べをするともっとおいしくいただけることも説明しました。それ以来、調味料を尋ねる人が減ったのですよ。

 

ーそれは嬉しい反応ですね!ドイツ人のお客さんは多いですか?

はい。nazunaへ来られるお客さんの4割はドイツ人です。2割は日本人、あとは当店があるプレンツラウアー・ベルグ地区に住むアメリカ人、イギリス人、フランス人など。お客さんの数は年々、少しずつ増えています。

 

 

nazuna(ナズナ)

Danziger Strasse 65

10435 Berlin

開店時間:月~金PM12:00~PM8:00、土PM12:00~PM6:00

(日曜日、第3土曜日、第4月曜日閉店)

価格:お惣菜の盛り合わせ(3~4種)4,50ユーロ、お弁当7,50ユーロ

 

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