ドイツ人の夫が日本に住みたくない理由

 ドイツに住んでいて出身地の話になると、大抵のドイツ人は「日本、いいねー!一度行ってみたいよ」と言ってくれます。日本のイメージ(サービス精神、最先端技術、和食など)が良いのは誇らしいことです。私の夫も日本に好印象を抱くドイツ人の一人ですが、二度の来日を経験し、「日本は旅行先としては良いけれど、正直住めない」という結論に至りました。言語や労働環境の違いは別として、生活面でギャップを感じたからです。幸い、私も日本への帰国は考えていないので夫の気持ちには困らないのですが、ずっと日本に暮らす人から見たら夫の住めない理由は意外かもしれません。さて、その理由とは?

 

ドイツの主流の暖房器。©Unsplash/Jonathan Willis
ドイツの主流の暖房器。©Unsplash/Jonathan Willis

その1:エアコンが大の苦手

 

 エアコン(特に冷房)の風が寒すぎて好きではない、と言う人には今まで会ったことがありますが、私の夫は日本に来てほぼ毎日アレルギー性鼻炎の薬を飲むほど大量の鼻水が出ていて大変でした。去年の10~11月を日本で過ごしたことは前回のブログで書きました。10月初めはまだ残暑の日々が続いたので、家以外ではどこでも冷房のスイッチがオン。11月に入ると今度は家で暖房を点けるようになり、鼻が楽になるのは外だけ。夫はハウスダスト・アレルギーがあるため、風だけでなく、風によって舞うホコリも苦手だったのでしょうね。

 対してドイツではそもそもエアコンが設置されている家や企業は珍しいです。夏はどうしても我慢できなければ、扇風機を利用する程度。その代わり、冬に暖房は必須です。暖房の主な熱源はガスと石油。窓の下などに暖房器が設置されていることが多く、横のねじのような物を回して熱さを調整します。エアコンと違って風が出ることはなく、ただ暖房器自体が熱くなる仕組みになっています。他にも床暖房や暖炉が付いている家庭があります。

 

その2:家の造りが非効率的

 

 日本の様々な住まいを肌で感じてみて、たどり着いた夫の定義は「日本の家はもっと冬向けに造るべき」ということ。(注:夫の職業は建築技師)例えば、日本では寒くなるとエアコンをつけ、部屋を一時的に暖かくしますよね。しかし、エアコンは就寝時に消します。そうすると目覚めた時に、足を布団から出せばもう寒い!この寒さが夫にはたまりませんでした。前の話に続き、この観点からも夫はエアコンを「非効率で、電気代を上げるもの」として嫌うのでした。また、壁や窓が薄いことも室内が簡単に寒くなる原因だと話していました。

 ちなみにドイツでは住宅用の部屋の最低気温は20度でないといけません。この基準を満たさないと賃貸住宅の大家は訴えられてしまう危険性があるほど、ドイツ人は暖かい暮らしを求めています。暖房はたとえ夜に消したとしても、朝凍える思いで起きることはありません。私はそんな夫の言い分を聞き、中・高校生の頃、朝寒すぎて布団の中で制服に着替えていた自分を思い出すのでした・・・

 

左は固形チーズ。右はクリームタイプのチーズやパテ。©Unsplash/Thanos Pal
左は固形チーズ。右はクリームタイプのチーズやパテ。©Unsplash/Thanos Pal

その3:チーズの種類が少ない上、値段が高い

 

 我が家の冷蔵庫にいつも2・3種類はあるチーズ。そのままパンと一緒に食べることもあれば、グラタンやサラダに使うこともあります。しかし、定番ともいえるモッツァレラやカマンベールでさえ、日本では貴重に思えてなりませんでした。一度、お世話になった友人宅で晩御飯を振舞うことになり、夫はケーゼシュペッツレを作ると言い出しました。これは南ドイツでよく食べるチーズと玉ねぎをふんだんに使ったパスタグラタンなのですが、いざスーパーで材料を買おうとしたらビックリ!チーズ代だけで5000円ほどかかってしまう!泣く泣くメニューを(ちょこっと)変え、トマトソースベースのパスタグラタンを作りました。

  ドイツでは大きなスーパーや肉屋さんのチーズコーナーが充実しています。店員さんにグラムで注文し、切ってもらいます。普通のスーパーで購入できる日常的なチーズといえば、ソフト系ならモッツァレラ、カマンベール、ブリ―。ハード系ならエメンタール、エダム、チェダー、ゴーダ、グリエールなどがあります。クリームタイプのフレッシュチーズも色々あります。普段このような環境にいる夫にとって、チーズを節約するという生活は多少辛いものがありました。ドイツに戻ってからはチーズだけでなく、ソーセージ類も恋しい思いで食べていました(笑)