ドイツが労働者天国なのは嘘?!試用期間中に解雇は稀ではない

 日本に住んでいる方と仕事について話す時、よく話題に出るのが労働環境。残業が少ない、有給休暇が多い上、完全消化が当たり前などの理由でドイツ人の仕事ぶりは日本の働き方改革に刺激を与えているのでしょうか。以前、興味本位で「ドイツ人はなぜ、1年に150日休んでも仕事が回るのか」(熊谷徹著、青春出版社)を読んだことがあるのですが、これだけ大手ホワイト企業の話を揃えたら、ドイツを羨ましがる理由が分かったような気がしました。しかしながら、ドイツだって天国ではありません。ここで取り上げるテーマは試用期間。日本にもある制度ですが、ドイツではなかなか厳しい目で見られるのが現実です。

©Unsplash/Tim van der Kuip
©Unsplash/Tim van der Kuip

 最長6か月間続くドイツの試用期間は、5人に1人が失敗に終わると言われています。(2013年ZEITオンライン版参照)失敗というのは従業員の自主退職か解雇を意味します。本意で退社を決意する理由は環境や仕事内容に満足しなかったからでしょうね。従業員にとって使用期間がある利点は会社が肌に合わないと思ったら、通常2週間の予告期間後に退社できることといえます。多くの人は辞める前に転職先も見つけているので、気が楽になりますね。

 

 それでは解雇されるのはなぜなのか。私はドイツで10年間働いてきて15以上の解雇例を見てきました。その解雇の理由は主に5つあります。

 

1)仕事内容をきちんとこなせない

新従業員の経験不足が支障をきたすことがあります。面接では簡単に聞こえていた業務が実は難しい。また少し背伸びして自分を過剰評価したため、入社後にぼろが出てしまうこともあります。

 

2)人間関係がギクシャク

入社して早くも上司や同僚と喧嘩。社内に限らず、取引先とも人間関係がうまくいかないと解雇率は高まります。

 

3)仕事に関するモラルが会社と合わない

頼んだ仕事をするのが遅い。あまりやる気を感じない。出張を拒むなど、意欲が後退していると評価も下がります。

 

4)入社して早くも長期病欠

ドイツでは病欠する場合、会社にどんな病気にかかっているのか伝える義務はないのですが、使用期間中に数週間休んでしまうのはさすがに悪影響。もしそうなったら、きちんと復帰の見通しを話し、上司を安心させましょう。

 

5)業績悪化に伴うリストラ

どうしようもないことですが、社員のリストラが決断されてしまったら、まずは試用期間中の社員を切る企業が多いです。リストラの話を知ったらすぐに転職先を探すことを勧めます。

 

 ここまで読むと使用期間をうまく潜り抜けるのが難題のように感じますよね。今の自分の立ち位置を確認したい、と思ったらぜひ評価面談を行ってください。ドイツの評価面談は企業によっては入社2-3か月後に行われますが、そのような話がなかったら自分から上司と人事部に頼むこともできます。これは別に変なことではありません。面談で褒め言葉を頂けたら安心!あとは試用期間の終了前に正社員としての契約を交わしてください。(ちなみにドイツ語で評価面談はdas Mitarbeitergespräch もしくはdas Feedbackgesprächと言います。)